借金・債務が増えてしまい毎月の返済が困難な状態になってしまったとしても、またやり直すことができます。
債務整理は恥ずかしいことではありません。再出発のために必要な手続きです。

例えば、破産法は「債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ること」を破産手続きの目的の一つにしています(破産法1条)。
借金・債務でお悩みの方は、ぜひ、一度、ご相談ください。問題を解決する方法があります。
相談前に方針を決めておく必要はありません。
経験豊富な債務、収入、資産等の状況をお伺いし、どのような方法をとれば経済的再生ができるのか、お話をさせて頂きます。

当事務所での初回の相談は無料ですし、法テラスの無料相談(外部サイト)をご利用できる方も多いと思います。
まずは、ご連絡ください。経済的な再生のために必要な手続きなどのご提案をいたします。

ご相談は早ければ早いほどよりよい解決につなげることができます。
相談をすべきか迷われたら、まず、ご相談ください。

よくある質問と回答 Q&A

Q. いつの時点で専門家に相談をしたらいいですか?自分は相談をしたほうがよいのでしょうか?

A. 相談のタイミングは早ければ早いほど良いと考えています。
 このページをご覧になられている方は、借金・債務について、何らかのお悩みがある方がほとんどかと思います。できる限り早く、専門家に相談されることをお勧めします。

 具体的には、以下のような状況があれば、早急に専門家に相談をすべきです。

・ 今月の返済が間に合わない
・ 既に数ヶ月(以上)借金の返済が滞っている
・ 返済のために借金をしている
・ 返済が追いつかず、家族、友人などからも借金をしている
・ 返済はできているが、利息しか返すことができていない
・ ショッピング枠、リボ払いの残高が数十万~百万円(以上)になっている
・ 借金の件で裁判所から手紙(訴状・支払督促など)が届いた

 以上のような状況になっている方の多くは、すぐに借金の整理を考えるべき状態になっていると思われます。できるだけ早く、専門家に相談すべきです。
 特に裁判所からの通知が届いている場面では、回答期限もあり、期限を超えると給料や財産を差し押さえられたり、自宅などを強制的に売却されるなどの危険もありますから、緊急の対応が必要です。
 もちろん、対応が不要な場合もあり得ますが、対応が必要かどうかを見極めるためにも、一度、専門家に相談されることをお勧めします。

Q. 誰に相談に行ったらよいですか?

A. 専門家、具体的には弁護士か司法書士に相談すべきです。

1 まず、弁護士と司法書士のどちらに相談すべきかについてお話します。弁護士と司法書士の違いは、以下のとおりです。

① 司法書士が扱うことのできる案件は、個別の債権額が140万円以下の案件に限られます。弁護士が取り扱うことのできる案件に制限はありません(少額の案件を取り扱うことができないということもありません。)。

② 弁護士は、訴訟・破産・個人再生等の裁判所が関与する手続きについて、代理人として、依頼者に代わって手続きを行うことができます。司法書士は、認定司法書士の資格を持っている方のみ、争われている額が140万円以下の訴訟に限り代理人となることができます。その他の手続きについては、書類の作成を代行するのみとなります。140万円を超える訴訟、破産、個人再生等を司法書士に依頼をされた場合、裁判所への書類の提出、裁判所との連絡、裁判等への出席は、原則として、自分自身で行うこととなります。

③ 費用は、各弁護士・司法書士の報酬基準によります。役職によって費用が決まるわけではありません。必ず弁護士の方が高くなるというわけではありません。迷われている方は、一度、見積もりを取ってみられることをお勧めします。

 以上のとおり、弁護士と司法書士では、取り扱うことのできる事件が異なってきます。140万円以上の債務が含まれている場合は弁護士に、それ以外の場合は弁護士か司法書士のどちらかに相談をすることになります。

 なお、無資格で相談を受ける者がいないわけではありません。弁護士法・司法書士法違反の可能性があるのみではなく、不適切な処理をする危険も高いため、無資格者に相談をすべきではありません。相談相手が弁護士又は司法書士の資格を有しているか、必ず確認をするようにしてください。

2 次に、どの弁護士、司法書士に相談に行った方がよいかという点についてお話します。
 事務所の所在地、手数料・報酬の額など、様々な基準で検討されるかと思いますが、以下では、特に債務整理の相談において重要だと思われる点をご説明します。

① 弁護士・司法書士と直接話ができるか
 資格のある弁護士・司法書士ではなく、資格のない事務職員がご相談者の聞き取りの対応する事務所もあります。しかしながら、債務整理の方針を決めるためには、法律や裁判所等の運用を知る専門職が対応しなければならない場面も数多くあります。無資格の事務職員のみによる聞き取りでは足りないことも多く、不適切な判断となりかねません。不適切な判断がなされると、費用・手間が何重にもかかるということにもなりかねません。例えば、最初から自己破産を選択すべき事案で先に任意整理を行ったことにより、結果的に任意整理の手数料が余計にかかってしまう、手続きを誤った結果、破産手続内で複雑な処理が必要となり、余計な費用と時間を要する、などの事態が起こりえます。

 もちろん、日程の調整や簡単な連絡など、事務職員と電話で調整していただく場面もありうると思いますが、少なくとも方針決定の場面では、資格を持つ弁護士・司法書士と、直接、面談を行うべきです。電話やメールなどで簡単に相談を済ませたいというニーズがあることは理解していますが、債務整理を失敗しないためにも、専門家との直接の面談を選択されることをお勧めします。

 なお、弁護士は、日本弁護士会連合会(日弁連)の定める「債務整理事件処理の規律を定める規定」という規則を守らなければなりません。この規則では、原則としてご相談者と直接面談をしなければならないとの定めがあります(同規定3条)。この規定を無視した対応をしている法律事務所(弁護士事務所)への依頼は、お勧めできません。

② 不利なことも話すことのできる環境にあるか
 債務整理の方針を決める際は、手続きを進める中では、不利なことを含め、すべてをお話ししていただく必要があります。債務整理を行うためには、資産、負債の状況、借金をした経緯、家計の状況など、他人に話したくない内容の聞き取りが必要不可欠です。浪費の有無なども確認する必要があります。このような話を含め、すべてを話しやすい専門家を選択すべきです(もちろん、専門家の方も話しやすい環境をつくることは大事です。いきなり説教をし始めるような専門家は選ぶべきではないでしょう。)。一度目の相談で、「話しやすい」と感じたのであれば相談を継続し、「話しづらいな」と感じられるであれば別の方を探す方がよいでしょう。

③ きちんと方針決定をしているか
 もちろん、相談者は専門家ではないため、専門家が適切な判断をしているかどうか、わからないとは思います。しかしながら、㋐方針選択の根拠を示しているか、㋑相談者の希望だけで方針決定をしていないか、という点は重要です。弁護士・司法書士が方針選択の理由を述べない場合には、その根拠を聞くべきであり、きちんと根拠を示さない方に依頼すべきではありません。他方、相談者の意向を完全に無視して、専門家の判断だけで進めようとする方も適切とはいえません。相談者の意向を聞いたうえで、根拠を持って方針を説明することのできる専門家に依頼すべきだと考えます。

Q. 自分の借金の状況がわからないのですがどうすればよいでしょうか?

A. 一般的には、債権者に問い合わせをする信用情報を取得することで情報を取得することができます。

 信用情報とは、「ブラックリスト」とも呼ばれているもので、CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)、JICC(日本信用情報機構)、全銀協(一般社団法人 全国銀行協会)の3つの機関が、それぞれ、各債権者からの提供を受けて情報を取得しています。それぞれの機関によって持っている情報が異なります。これらの機関は、それぞれ開示請求の手続きを定めておりますので、開示請求をすることで自身の情報が登録されているか、確認をすることができます。それぞれのウェブサイトにアクセスをしていただければ、開示請求の手続きが記載されています。

 なお、弁護士・司法書士に債務整理を依頼される場合、正確な債務額は弁護士・司法書士から各債権者に照会を行うこととなりますので、ご自身で詳細な借金の状況を把握する必要はありません。

Q. 債務整理にはどのような手続きがあるのでしょうか?

A. 債務整理にはいくつかの方法がありますが、大きく分けると

① 自己破産
② (個人)再生
③ 任意整理

の3つに分けることができます。なお、このうち任意整理には、さらに様々な方法があります。

 これらの違いを図にすると、以下のようになります(ただし、事案によって異なる場合があります。)。

自己破産個人再生任意整理
裁判所を使う使う(原則)使わない
借金を免除してもらう減額したうえで
分割で返済する
(通常)債権者と話し合い、
分割で返済するなどの合意をする
財産を(原則)手放す(原則)手放さない(原則)手放さない
債権者の同意は不要一部必要(原則)必要
資格制限があるないない
信用情報(ブラックリスト)に(通常)載る(通常)載る(通常)載る

 以下、詳しく説明をします。

① 自己破産
 簡単に言うと、自身の財産を手放す代わりに、借金を免除してもらう手続きです。税金など、一部の免除されない借金を除き、借金の支払いの義務がなくなります。「借金を支払わなくてよくなる」という部分が、自己破産の最大のメリットです。
 一方で、自己破産にはデメリットもあります。主なものは以下のとおりです。

㋐ 一定額までの現金や預貯金などを除き、原則として、自身の財産を全て手放す必要があります。特に不動産(家・土地など)を所有している場合は、原則として手放すことになります。自動車についても、手放すことになる可能性があります。

㋑ 警備員、保険の外交員など、一部の資格について、資格制限があります。これらの職業には、破産手続中は就くことができません。

㋒ 浪費やギャンブルによって過大な借金をつくった場合など、法律上、一定の場合には借金を免除をすることができないと規定されています。なお、実際には、このような場合であっても「裁量免責」により借金を免除されることも多くあるため、すぐに破産をあきらめる必要はありません。

㋓ 一定の時間と費用がかかります。また、原則として、裁判所や破産管財人との面談もあり、裁判所や破産管財人の事務所に出向く義務が生じます。裁判所や破産管財人からの呼び出しを無視するなどすると、借金の免除を受けることができなくなります。

 債務整理に関する考え方は専門家によって様々ですが、私は、上記のデメリットをクリアできる場合には、自己破産をお勧めすることが多いです。経済的な再出発をするにあたり「借金が免除される」ことが非常に大きいからです。
 自身が自己破産をした場合にどのようなメリットとデメリットがあるのか、詳しくは専門家にお尋ね下さい。

② 個人再生
 簡単に説明すると、裁判所の仲介により、借金の総額を減らし、その減らした借金を分割で返済していくという手続きです。借金の返済は、原則3年(36回払い)、例外的に5年(60回払い)まで伸ばすことがあり得ます。

 同じく借金の返済をしていく手続きである任意整理と比較して、

 ・ 個人再生では、裁判所の力を借りることにより、(通常)借金の総額を減らすことができる。

 というメリットがありますが、その一方で、

・ 一定の安定した収入がなければ、そもそも個人再生の利用を認めてもらうことができない。

・ 個人再生は裁判所を使うため、自由度がない(法律に従って手続きを進めなければならない)。裁判所の認可がなければ個人再生は失敗する。手続きに時間と費用がかかる。

 というデメリットがあります。

 個人再生は、一般的に破産手続以上に手間がかかる上、(返済額が減るとはいえ)一定期間の返済が続くことになるため、手続きの利用にそれなりの負担が生じます。そのため、自己破産を利用しても問題のないケースでは自己破産を利用することが一般的かと思います。ただし、自宅の住宅ローンを支払っておられる方の債務整理の場合、個人再生の「住宅資金特別条項」を使うことにより、自宅を残し、住宅ローンの支払いを続けながら、その他の借金を減らすことができる可能性があるため、個人再生が第一の選択肢となることがあり得ます。
 詳しくは専門家にご相談下さい。

③ 任意整理
 裁判所を通さず、直接貸し主(債権者)と交渉する方法です。債権者との直接の交渉となるため、裁判所のルールに縛られることなく、自由な交渉を行うことができます。
 ただし、以下の点に気をつける必要があります。

・ 債権者との合意がないと任意整理による解決はできません。
・ 一般的に、あまりに長期間の分割には応じてもらえません。債権者によって異なりますが、36回(3年)払いや60回(5年)払いを上限としている債権者が多いように思われます。
・ 常に借金を減額してもらえるわけではありません。任意整理成立時以降の利息(「将来利息」といいます。)については免除を受けることが一般的ですが、元本や過去の利息の免除に応じてもらえるケースは限られています。また、最近は、債権者より将来利息の免除も拒否されるケースがあります。
・ 債権者との交渉が成立しない場合、裁判所を通じた手続きを選択せざるを得なくなることが多いです。自己破産や任意整理に切り替える、特定調停等の裁判所の手続きを利用する、債権者の側から訴訟を起こされる、などがあり得ます。任意整理を選択したからといって裁判所の関与する手続きを必ず回避できるわけではありません。
・ 一般的に、任意整理であっても信用情報(いわゆるブラックリスト)に登録されます。通常、借金の滞納が生じたり、弁護士・司法書士等が介入した時点で信用情報に登録されます。

 任意整理は、原則として裁判所を通さないため、自由度が高く、時間もかからず、借金の整理を行うことができる可能性があります。一方で、上記のようなデメリットも存在することをご理解頂く必要があります。なお、当事者同士の話し合いで解決できない場合には、裁判所の「特定調停」など、第三者に話し合いを仲介してもらう手続きもあります。
 相談者にとって任意整理が好ましいのか、裁判所を使う手続きが好ましいのか、その判断は専門家でなければ難しいものとなります。ぜひ、専門家に相談をしてください。

④ その他の手続き(広く言えば、これらも任意整理の一種です)
 長期間、貸し借りを行っていなかった債権者(あるいはその会社から委託を受けた/債権の譲渡を受けた債権回収会社)から請求書が届いた、訴状・支払督促などが届いたというケースでは、債権が消滅時効にかかっており、支払を免れることができるかもしれません。これは、簡単に言うと「その権利は期限切れですよ」と主張する(「消滅時効の援用」といいます。)ことにより、支払いを免れることができるというものです。
 また、相当前に借り入れを始めており、十数年以上にわたり返済を続けていたケースなどだと過払いになっている、簡単に言うと、本来返済しなくてよい部分まで返済をしており、払いすぎになっている、というケースもあります。この場合、過払金の返還請求を行うことができる場合もあります。
 また、いわゆる「ヤミ金」などによる違法な取り立てに対しては、専門家が対応し、請求を止めさせる場合もあります。

 上記のどの制度を使うべきなのかの判断は一般の方には難しいものとなりますから、ぜひ、一度、専門家にご相談頂ければと思います。

Q. 専門家に依頼することなく、自分で債務整理を行うことは可能ですか?

A. いずれの手続についても、専門家に依頼することなく手続きを行うことは可能です。日本では、弁護士・司法書士などの関与を強制する法律はありません。

 ただし、自己破産や個人再生については、専門家に依頼をしない場合、自分で書類を作成し、必要な資料をすべて集め、裁判所や破産管財人・再生委員等とのやり取りもすべて自分で行う必要があります。特に個人再生については、手続きが複雑なこともあり、ご自身ですべてを行うことは相当のご負担になるかと思います。また、裁判所の運用によっては、専門家に依頼をしない場合は、破産予納金等を専門家に依頼した場合より高額に設定することもあるようです(裁判所の運用や事案によって異なります。)。

 任意整理についても債権者との交渉なので、本人で行うことができないわけではありません。実際に、債権者との間で支払いを待ってもらう交渉や分割払いの交渉をされた経験のある方もいらっしゃると思います。しかしながら、債権者と交渉をすることは負担になりますし、債権者側は交渉慣れしていることが多いでしょうから対等に交渉できるのかという問題が生じ得ます。

 以上のとおり、いずれの手続もご自身で行うことは可能ですが、デメリットもあります。弁護士費用・司法書士費用の立替制度を利用できる場合もありますので、専門家に相談されてから判断をしていただければよいかと思います。

Q. 債権者からの通知が届きました。放置をしても大丈夫なのでしょうか?

A. 放置するべきではありません。すぐに専門家に相談されることをお勧めします。

 以下、緊急性の判断についてお話をしますが、これらの判断は専門家でなければ誤る可能性もありますので、専門家に相談されることをお勧めします。

 専門家の目線で見ると、その通知が、裁判所から送られてきたものであるかどうかが一番重要です。裁判所からの通知には回答の期限があり、その期限を過ぎると、強制執行という手続きに進む危険があります。この強制執行は、簡単に言うと、財産を強制的に押さえて、返済に充てるという手続きです。自宅を持っていればこれを強制的に売却される危険がありますし、預貯金を強制的に持っていかれる、給与の一部を強制的に持っていかれるなどすることもあります。資産がなくとも給与等の差し押さえを受けることがありますし、給与の差し押さえを受けた場合には勤務先への説明が必要になるかもしれません。このような事態になり得ますので、裁判所からの通知を放置することは危険です。裁判所からの通知の名称には「訴状」「支払督促」等がありますが、いずれも放置は危険です。通知を受け取ったら、すぐに、専門家に相談をしてください。手続きにもよりますが、回答期限を過ぎてしまうと対応することができなくなる場合もありますので、とにかく早く専門家に相談するようにしてください。

 一方で、債権者(本人)や債権回収会社、これらの代理人弁護士・司法書士からの通知については、この通知だけで差し押さえをするような効力はありません。裁判所からの通知に比べれば緊急性は高くありません。ただし、このような通知が来ている段階で債務整理の必要があると思われますので、早めに専門家に相談することをお勧めします。また、これらの通知を放置すると、裁判等を起こされる危険も高くなりますので、裁判等を起こされて緊急の状態になる前の余裕がある段階から、整理を始めておくことをお勧めします。

Q. 裁判所から「判決」が届きました。あるいは裁判所から「支払督促」が届きました。放置してもよいですか?

A. 判決や支払督促を受けているにもかかわらず、これを放置すると、「差押え」を受ける可能性があります。「判決」や「支払督促」を受けると、その直後に差押えを受ける可能性が高いです。「差押え」は、裁判所が債務者(借金を支払う義務を負っている人)の財産を強制的に押さえ、債権者への返済に充てるという手続きです。差押えを受けると、給料の一部を強制的に返済に充てられたり、通帳の中のお金を強制的に持っていかれたり、自宅や車などを強制的に売却されたりすることになります。

 差押えを受けてしまうと、通常は、差し押さえられた財産は帰ってきませんので、差押えを受ける前に専門家に相談をされ、適切な手続きをとることをお勧めします。「判決」や「支払督促」を受ける前に専門家に相談をされることが望ましいですが、これらを受けてしまった場合には、とにかく早く専門家に相談をすべきです。絶対に放置をしないでください。

Q. 遠方の裁判所から呼出状が届きました。どのように対応をすればよいでしょうか?

A. 債権者の本社が遠方にある場合など、遠方の裁判所に訴訟を提起されることがあります。このような場合、ご自身で対応をしようとすると、原則として、その遠方の裁判所まで行かなければならなくなります。場所によっては、裁判所まで行くための費用を準備することすら困難になるでしょう。
 このような場合、すぐに、お住いの地域から近くに所在する弁護士事務所に相談をすべきです。弁護士が介入をしていれば、ほとんどの事案で、電話や書類のやり取りなどで裁判所の対応をすることができ、その地域に出張することなく、事件の処理を進めることが可能です。
 なお、時々、例えば、札幌に住んでおられる方から「東京簡易裁判所で訴訟を起こされたので東京の弁護士に依頼をしたい」とご依頼を受けることがあります。もちろん、どこの弁護士に依頼するかは自由なのですが、「東京の裁判所であるから東京の弁護士に依頼をしなければならない」ということはありません。上記のように、裁判所とのやり取りの多くは、その裁判所まで出張することなく対応することができます。弁護士との打ち合わせの際の費用等も考えたうえで、遠方の弁護士に依頼をするべきか、ご検討いただければと考えています。

Q. 借金をした覚えはないのですが「弁護士」・「弁護士事務所」・「裁判所」などと名乗る者から通知が届いています。どうすればよいでしょうか?

A. 「弁護士」・「弁護士事務所」・「裁判所」などを名乗る詐欺の手紙が送られてくることがあります。そのような詐欺があると、様々な場所で報告されています。もしかすると、詐欺の手紙が送られてきたのかもしれません。
 ただし、その手紙が本物なのか偽物なのかの判断は、専門家でなければ難しいものです。特にその手紙が本物の裁判所からの手紙であれば、放置をすると不利益を受けることにつながります。まずは、送られてきた手紙をもって専門家にご相談ください。

Q. 本人が相談に行かなければならないのでしょうか?家族・知人が相談に行くことはできますか?

A. 債務整理の問題を解決できるのはご本人だけですし、ご本人が一番事情をよく知っておられるはずなので、ご本人に相談に来ていただくよう、お願いします。弁護士は、ご本人以外の方から依頼を受けてご本人のために債務整理の手続を行うことはできません。ご本人から依頼をしていただく必要があります。

 なお、ご本人と一緒に事務所にお越しになる場合、原則として、ご本人の承諾があれば相談への同席も可能ですが、相談の内容によっては、弁護士の判断で席を外していただくこともあり得ますのでご了承ください。

 例外として、ご本人ではなく、第三者のみでの相談が可能なケースは以下のとおりです。

① (連帯)保証人になられている場合・債権者から直接の請求を受けている場合
 (連帯)保証人となられている方は、主債務者が支払いを滞らせた場合に、主債務者に代わって支払いを行う義務を負います。このような(連帯)保証人となられている方については、(連帯)保証人として債権者からの請求にどのように対応をするかという問題が生じます。このような問題に対し、(連帯)保証人独自の問題への対応という形で相談をお受けすることとなります。
 また、主債務者の家族・親族であっても、(連帯)保証人や連帯債務者となっていないのであれば、支払いの義務は生じませんが、いわゆる「ヤミ金」などから(連帯)保証人や連帯債務者ではない方に請求が行われているというケースがあります。これらについても請求を受けている方からの相談として対応をすることが可能です。
 なお、上記のケースは、あくまで請求を受けている方の対応についてアドバイスをさせて頂くものですので、主債務者ご本人については、別途、専門家に相談をしていただく必要があります。

② 債務を負っているご本人が亡くなられた場合
 債務者が亡くなられた場合、これらの債務は相続人に引き継がれることとなります(プラスの財産のみではなく、マイナスの負債も相続の対象となります。)。そのため、債務を負っている方の相続人が亡くなられた方の債務の問題に対応をする必要があります。このような場合には、相続人の方から相談を受けることとなります。
 なお、負債の相続が発生する場合には、亡くなられた方の財産・負債すべてを引き継がないようにする「相続放棄」や財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ「限定承認」という手続きを検討することになりますが、これらの手続きは、原則として、ご本人が亡くなられたことを知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。様々な手続き等でお忙しい中ではあると思いますが、できる限り早く専門家にご相談されることをお勧めします。なお、上記の3か月の期間を超えている場合にも相続放棄等をすることのできる場合があります。このような場合についても、ご自身で対応される前に、一度、専門家にご相談ください。

③ ご本人が精神障がい・知的障がい・認知症等により、判断能力を失っている場合
 ご本人に判断能力がない場合、ご本人自身で債務整理を行うことはできません。このような場合には、まず、本人について成年後見(保佐・補助を含む。)の申立を行ったうえで、成年後見人(保佐人・補助人)が債務整理を行うこととなります。成年後見制度については、成年後見・財産管理のページもご覧ください。
 なお、当事務所では、成年後見人・保佐人・補助人に就任されている方からの相談もお受けしております。成年後見人等としてご本人のために債務の整理をする必要が生じた場合への対応について、監督家庭裁判所への報告等に関する事項も含め、アドバイスをさせて頂きます。

Q. 自分の借金について家族が請求を受けていますが、支払わなければならないのでしょうか?あるいは、家族の借金について、自分が支払わなければならないのでしょうか?

A. (連帯)保証人や連帯債務者になっていない限り、他人の借金を返済する必要はありません。原則として、家族であっても他人の借金を返済する義務はありません。(相続が発生した場合を除き)親子であっても他人の借金を返済する義務はありません。ただし、夫婦間については、夫婦の一方が日常の家事(食費・家賃・光熱費・子どもの生活費など)のために借り入れを行った場合、他方も支払義務を負うことはあり得ます(民法761条)。

 なお、支払義務のない者に対する取り立ては、金融庁の事務ガイドラインによって禁止をされています。義務のない方への請求が止まらない状況があれば、専門家に相談されることをお勧めします。

Q. 自分の知らないうちに(連帯)保証人にされてしまいました。どうすればいいでしょうか?

A. (連帯)保証は「契約」なので、契約当事者の意思の合致がなければ成立しません。自身のあずかり知らぬところで(連帯)保証契約が締結されていても、通常、その契約は無効です。(連帯)保証契約は、口頭の合意では成立せず、書面又は電磁的記録によってしなければその効果が生じないとされていますので(民法446条2項、3項)、自身のあずかり知らぬところで契約書が偽造されているということになりますから、この契約書が偽造であることを主張し、その裏付けがあれば(例えば、筆跡が異なる、印鑑が偽造であるなど)、その契約は無効となります。ただし、自身の印鑑を自由に使わせていたなどの事情があれば、契約が有効になることもあり得ないとは言い切れません。このような事態が生じた場合には、専門家の判断が必要になると思われますので、ご相談されることをお勧めします。

Q. 未成年(18歳未満)の子が借金をしたようですが、親が支払う必要はありますか?

A. 未成年者(18歳未満)が借り入れをするためには、親権者(又は未成年後見人など)が同意をしなければなりません。親権者などの法定代理人の同意なしにした行為は原則として取り消すことができるため、同意なしに借金を行っていれば、通常、その借金(をするという内容の金銭消費貸借契約)を取り消すことができます(例外として、未成年者が詐術を使っていた場合があります。)。未成年者が親権者などから同意を得ずに借金をしている場合、まずはその契約を取り消す方向で動くことになるでしょう。弁護士・司法書士などの専門家や行政の消費生活センターなどにご相談ください。

Q. 友人・知人から「迷惑をかけないからあなたの名前で借り入れをしてほしい」等と言われて借り入れをしました。しかし、友人・知人は返済をしてくれません。どうすればよろしでしょうか?

A. 貸主(債権者)が「名義貸し」をしていることを認識した上で貸し付けを行っているケースなどの特殊なケースを除き、借り入れを行った名義人が返済の義務を負っています。「知人のために借りてあげたのだ」という反論をしたとしても、通常は、名義人の支払義務が認められてしまいます。そのため、どのような事情があっても「名義貸し」をすることは止めたほうが良いでしょう。

 なお、「名義貸し」で負った借金を本人の代わりに返済した場合、名義を借りていた本人に支払った借金額を返すよう求めていくことはあり得ます。しかしながら、このような状況になった場合、その本人にはお金がないことが通常でしょうから、実際に返済をしてもらえる可能性は低いといえます。

 仲の良い友人・知人・家族等であっても、「名義貸し」をすることはお勧めできません。

Q. 家族に見つからずに債務整理を行うことはできますか?

A. ご家族に見つからないまま債務整理をすることができるかは事案によるところですが、特に同居のご家族に秘密にできると保証することはできません。

 まず、前提として、弁護士には守秘義務がありますから、弁護士がご本人の承諾を得ず、ご本人のご家族などに債務整理をしている事実を伝えることはありません。また、ご依頼者のご希望に応じ、例えば弁護士からご本人様宛に書類を送る必要が生じた場合には、法律事務所の名前の入った封筒は使わず、「親展」でお送りするなどの配慮はさせて頂きます。

 ただし、以下のような場合、債務整理を行うこと(行っていること)をご家族に伝えなければならなくなります。

① ご家族が債権者に含まれる場合
 まず、破産手続きを選択する場合、ご家族からの借り入れがあれば、そのご家族も債権者の一人であるため、通知をしなければならなくなります。破産の手続においては、全ての債権者を平等に扱わなければならず、ご家族も例外ではありません。虚偽の債権者名簿を提出するなどすると借金の免除を受けることができなくなる(破産法252条1項7号、8号)などの不利益につながりますので、債権者であるご家族に事情を隠したまま破産手続きを利用することはできません。
 また、個人再生手続きを利用する場合も、ご家族からの借り入れがあれば、ご家族からの借り入れも含めて裁判所に申告をしなければなりません。破産手続き同様、ご家族も債権者の一人として扱われますので、裁判所からご家族に通知がいくことになります。これも避けることはできません。
 任意整理の場合、どの債権者との間の借り入れを整理するかは自由に選択することができますので、ご家族からの借り入れについては任意整理の対象にしないということは可能です。ただし、この場合も、以下で記載するように債権者や裁判所からの通知等により任意整理を行っていることを家族が知る可能性はあり得ます。

② ご家族が(連帯)保証人・連帯債務者となっている場合
 ご家族がご本人の借り入れの(連帯)保証人や連帯債務者になっている場合は、利用する手続きが破産、個人再生、任意整理のいずれであっても、通常、ご家族が債務整理の事実を知ることとなります。
 (連帯)保証人や連帯債務者のいる債務について、債権者に対し、「債務整理をする」という通知を行った場合、通常、債権者は、(連帯)保証人や連帯債務者に対し、その事実を通知します。そして、債権者は、(連帯)保証人や連帯債務者に対し、債務を支払うよう求めます(残っている債務の一括払いを求めてくることが多いでしょう。)。この債権者からの通知を止めさせることは、通常、できません。任意整理の場合、債権者に対し「(連帯)保証人/連帯債務者に連絡しないでほしい」と申し入れること自体は可能ですが、応じてもらえる可能性は低いでしょう。
 ご家族(・知人・友人)に(連帯)保証人・連帯債務者になってもらっている債務について債務整理を行う場合、いきなり債権者から通知が送られるとご家族等とトラブルになる可能性がありますので、債務整理を決意された場合には、事前にご家族等に説明をしておかれることをお勧めします。

③ ご家族と家計が同一である場合
 破産手続き・個人再生手続きを行う場合、裁判所に対して、家計の収支を報告しなければなりません(なお、報告すべき内容は、裁判所によって微妙に異なります。)。ご家族と家計が同一である場合、ご家族全員分の家計の収支を裁判所に報告しなければならなくなります。また、これは裁判所の運用によりますが、同一家計の方の預金通帳のコピーなどの提出を求めてくる裁判所もあります。このような運用があるため、ご家族と家計が同一のケースで破産手続きや個人再生手続きを利用される場合、ご家族の協力が必須となります(もちろん、このようなケースであっても、ご家族の財産から借金の支払いを命じられるということはありません。)。
 また、最近、任意整理であっても、債権者が家計収支表などの提出することを求めてくる事案が増えつつあります。家計収支表などの提出を求められるかは、債権者側の運用によります。もちろん、任意整理は交渉なので家計収支表などの提出を拒むこともできますが、この場合、債権者との間の合意が成立しなくなるおそれがあります。

④ その他の場合
 以上の①から③のような事情がない場合であっても、ご家族と同居されている場合、債権者や裁判所からの通知が自宅に届くなどして、同居の家族が借金の問題に気付く可能性があります。裁判所からの通知は「特別送達」という「書留郵便」のようなもので届きますが、ご家族も「特別送達」を受け取ることができますので(民事訴訟法106条1項)、ご家族が裁判所からの通知を受け取り、借金の問題に気付く可能性があります。法テラスを利用される場合、法テラスからの手紙が自宅に送られることもあります。
 また、破産手続きや個人再生の手続を利用した場合、これらの手続を利用したことが「官報」に載ります。「官報」とは、簡単にいうと、政府が発行している新聞です。破産手続きや個人再生を利用した場合、裁判所からの連絡により、この「官報」に氏名・住所・手続利用の事実などが掲載されます。一般の方でこの「官報」を見ている方はほとんどいないと思いますので、これを見て破産などの手続を利用しているという事実を知る方はほとんどいないと思いますが、誰でも「官報」を購入することはできますので、「官報」から情報を得る方がいらっしゃらないとは限りません。
 このように、不確定な要素もありますので、家族に見つからないまま債務整理を行うことができると保証することはできません。

 最後に、債務整理は経済的再生を目的に行うものです。特に家計が同一であったりご家族と同居をされている場合、経済的再生のためにはご家族の協力が不可欠だと思います。「債務整理についてご家族に秘密にしたい」というご希望を持っておられる方も、もう一度、「家族に秘密にしたまま債務整理を行うことが適切なのか」考えてもらえればと思います。ご家族への説明の方法がわからないということであれば、その点も含めて弁護士がご相談に応じます。

Q. 債務整理をするとローンの残っている自宅や自動車はどうなりますか?

A. ローンの残っている自宅や自動車などを手元に残すことができるかどうかは、どの手続きを利用するかによって異なります。

 まず、前提として、通常、住宅ローンや自動車のローンの契約の中に「ローンの支払いが滞った場合には、債権者(銀行や信販会社など)が自宅や自動車を売却し、ローンの返済に充てる」という内容の条項が入っています。売却の手続は契約の内容によりますが、自宅の場合と自動車の場合で異なっていることが一般的です。
 自宅の場合、ローンの支払いが滞った場合には、通常、抵当権という権利を実行することにより競売手続きにかけることになります。ただし、この手続きは裁判所を通じて行わなければならず、手間がかかるため、債権者との合意により、裁判所を通さず、「任意売却」により売却するということが一般的に行われています。債権者との間で話がついた場合には任意売却で、合意が成立しない場合には競売手続きで、売却されることが多いかと思います。
 他方、自動車の場合、競売手続きを利用することはほとんどありません。自動車の場合は、信販会社(や信販会社が委託した自動車販売業者など)が自動車を物理的に引き上げ、売却することが一般的です。自動車の場合、ローンの契約の中に「ローンの支払が終わるまで自動車の所有権は信販会社とする」という内容の条項(「所有権留保」と呼ばれます。)が入れられており、この条項に基づいて自動車を引き上げ、売却します。自動車以外でも、太陽光パネルや給湯器などの割賦販売でもこの制度が利用されています。なお、銀行のフリーローンなどを利用して自動車を購入した場合など、所有権留保が付されていないこともあります。返済が滞った場合に自動車などの引き上げを受けるかどうかは契約条項によりますので、「どのようになるかわからない」という方は、ローンの契約書を持参し、専門家に相談されてください。

① 債務整理をした場合の原則
 以上のように、通常は「ローンの支払いが滞った場合には、債権者(銀行や信販会社など)が自宅や自動車を売却し、ローンの返済に充てる」という条項が入っていますので、返済が滞った時点でローンの残っている自宅や自動車などは売却されることになります。また、これまでは返済が滞っていなかったとしても、破産手続きを選択された場合は、手続きを選択した時点で返済が停止することになりますので、自宅や自動車などは売却されることになります(通常、契約条項で、自己破産を選択した場合には、それまで返済が滞っていなかったとしても、自宅や自動車の売却手続きに入ると定められています。)。
 個人再生手続きを選択する場合も、通常は、これまでの約定(約束)のとおりに返済を続けていかないことになるため、自宅や自動車は売却されることになります。ただし、これには例外があります。この後、②で解説します。
 任意整理の場合、どのような整理の仕方をするかによって異なります。③で解説します。

② 個人再生の場合
 先ほども書いたとおり、個人再生の場合、手続きを利用した場合には、原則としてローンの残っている自宅や自動車は売却されることになります。しかし、以下のとおり、例外があります。

・ 「住宅資金特別条項」を定める場合
 「住宅資金特別条項」とは、簡単にいうと、個人再生をする際に、「住宅ローンについては今まで通り(事案によってはリスケジュールして)支払っていく」という合意をすることにより、自宅を手元に残した上で、住宅ローン以外の債務の返済額を減らすというものです。正式な名称は「住宅資金貸付債権に関する特則」といわれ、民事再生法196条以下に規定があります。「住宅ローン特則」と呼ばれることもあります。
 この手続きを利用する場合、住宅ローンについては、原則として今までのとおり支払っていかなければなりませんが、支払いが滞らない限り、自宅を強制的に売却されるということはなくなります。なお、住宅ローンについては、住宅ローン以外の債権のように、返済の元本を減らしてもらうということはできませんので、注意が必要です。また、住宅資金特別条項を利用するためには、法律上の要件をクリアする必要があります。これをクリアできない場合、(債権者の対応にもよりますが、通常は)自宅を売却されることになりますので、ご注意ください。

・ 「別除権協定」を定める場合
 「別除権協定」とは、ローン会社との間で、今までと同じようにローンを支払うことを約束して、その代わりに自動車などを引き上げないようにしてもらう協定のことをいいます。この協定は自由に結んでよいわけではなく、裁判所の許可を受ける必要があります。そして、裁判所はいつでもこの「別除権協定」の許可を出してくれるわけではなく、許可を得るためには、例えば、「自動車の継続使用を認めてもらえないと通勤をすることが物理的に不可能になり、収入を得ることができなくなる」、「自分の名義の車を使って運送をしているため、この車を失うと仕事を続けることができなくなり、収入を得ることができなくなる」などの事情が必要です。
 裁判所による許可が必要なので、「ローンの支払さえすれば自動車を手元に残すことができる」と考えるのは危険です。

・ その他
 法律上の制度ではありませんが、ご家族などに債権者(信販会社など)と交渉してもらい、ご家族が残ローンを一括で支払うことにより、ご家族が自動車を買い取る。その自動車をご家族から無償で利用させてもらうという方法も考えられます。

③ 任意整理の場合
 任意整理の場合、どの債務を成立するかは自由に選ぶことができます。そのため、住宅ローンや自動車ローンについてこれまでと同じように返済を続けていくと選択した場合には、返済さえ滞らなければ、自宅や自動車を手元に残せる可能性は高くなります。ただし、この場合、当然ですが、支払いを続けるという負担は残ります。債権者が認めてくれる場合は返済のリスケジュール(リスケ)や返済額の減額をすることができる場合もあり得ますが、これは相手方のいることなので、常にできるとは限りません。また、住宅ローンや自動車ローン以外の任意整理に失敗してしまい、計画が破綻してしまうというリスクもあります。

 以上のとおり、原則として債務整理をするとローンの残っている自宅や自動車を失うことになりますが、例外的に、手元に残すことのできる可能性があるということになります。
 ただし、自宅や自動車のローンを支払い続けることにより経済的再生が不十分になってしまう可能性もありますので、自宅や自動車を手元に残すことが本当に適切なのか、専門家とよく話し合い、検討することが大事でしょう。

Q. 破産や個人再生をすると戸籍に載りますか?選挙権を失いますか?

A. 破産や個人再生を行ったことについて、戸籍に記載されることはありません。選挙権を失うこともありません。

 なお、破産開始決定(破産手続きを始めるという裁判所の決定)、免責決定(債務を免除するという裁判所の決定)、民事再生手続開始決定(民事再生手続きを開始するという裁判所の決定などの裁判所の決定が出た場合、国(正確には、独立法人国立印刷局)の発行する「官報」という新聞に掲載されます。これにより、破産や個人再生の手続を利用しているは第三者が知る可能性はあります。しかし、この官報に載った事実が戸籍に掲載されることはありません。

Q. 浪費(パチンコ・競馬・競輪など)によって借金をつくってしまいました。このような場合、債務整理はできないと聞いたことがあります。本当なのでしょうか?

A. 確かに、浪費や賭博により著しく財産を減少させた場合や過大な債務を負担した場合には、自己破産をしたとしても、免責する(借金を免除する)ことはできないと破産法に書かれています(破産法252条1項4号)。このように、法律上、借金が免除されない類型がいくつかあるのですが、これらの情報が独り歩きしているのか、一定の事情がある場合には借金の整理自体ができない、あるいは破産手続きは利用することができないといった、誤った情報が出回っています。しかしながら、これらの情報は誤りです。その理由は以下のとおりです。

① 破産手続では、裁量免責(破産法252条2項)が認められており、原則として借金の免除が認められない場合であっても、例外的に借金の免除を認めることがあるとされています。実際には、浪費や賭博が主な原因で破産に至ったようなケースでも、多くの場合、借金の免除が認められています。
 他方、破産手続中に虚偽の報告をするなどした場合には、免責が認められにくくなります。破産手続きにおいては、浪費などの事情を隠すのではなく、正直に話し、反省をすることがより重要です。

② 仮に破産手続を利用することができない場合であっても、個人再生や任意整理を利用することができる場合があります。

 以上のように、借金の原因が浪費や賭博であったとしても、債務整理は可能です。一度、専門家にご相談ください。なお、前述のとおり、借金の原因の問題よりも「虚偽の報告をする」ことの方が大きな問題となります。浪費等の事情を隠すことなくご報告いただくことで、適切な債務整理のアドバイスができることとなります。

Q. クレジットカードで商品(電化製品・ゲーム・チケットなど)を買って転売をして返済をしています。これはまずいでしょうか?

A. このような行為は、現金を得ることにより当面の危機をしのげたとしても、結局、クレジットカードで購入した商品の返済義務が生じてしまいますので、好ましくないことが多いと思います。結局、破産をしてしまった場合などは、転売行為が調査の対象となり、手続きが複雑になる、長引くなどの不利益が生じ得ます。また、転売先からの入金がないなど、新たなトラブルが生じる危険性もあります。

 なお、転売が禁止されている商品を転売目的を秘して購入した場合、詐欺罪などに該当することがあり得ます。転売で当面の資金を確保しなければならないような状況になっている時点で債務整理の必要性はかなり高いといえるでしょうから、転売行為に手を出す前に専門家に相談されることをお勧めします。

Q. 業者から「通帳を買い取る」と言われました。預金口座を開設してこれを売却する等してもよいのでしょうか?

A. 預金口座の売買は犯罪です。犯罪による収益の移転防止に関する法律違反となり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されます。また、事案によっては、詐欺罪など、別の犯罪に問われることもあり得ます。通帳やキャッシュカードを売却することは絶対に止めてください。

Q. インターネットで「携帯電話を買い取る」というウェブサイトを見ました。携帯電話を契約して売却してもよいのでしょうか?

A. 最近、インターネット上の掲示板などで「携帯を契約するバイトです」「簡単に稼げます」「即日現金を渡します」などといった勧誘がなされています。しかしながら、「実際に使用するつもりも、購入代金・利用料金を支払う意思もないのに、携帯電話などを契約し、販売店からだまし取った携帯電話等をアルバイト斡旋業者なる者に渡してアルバイト料をもらう」つもりで携帯電話を契約することは「携帯電話等を販売店からだまし取る行為」とされ、携帯電話販売店に対する詐欺罪が成立する可能性があります。犯罪行為になる可能性がありますから、絶対にしないようにして下さい。
 また、転売目的で購入した携帯電話などの購入代金や利用料金の支払い義務も負うことになります。債務を増やす行為になりますので、絶対にしないようにして下さい。

Q. 「ヤミ金」に手を出すことは止めるべきでしょうか?

A. 一般に無登録の貸金業者を「ヤミ金」と呼びます。相手方が貸金業の登録を受けているかは、金融庁ウェブサイト内にある「登録貸金業者情報検索サービス」で調べることができます。
 これらの「ヤミ金」は、店舗を持たずに携帯電話でやり取りをする業者も多いことから「090金融」「080金融」などと呼ばれることもあります。これらの業者は、そもそも違法行為をしている業者ですから、使うべきではありません。暴力的な取り立てを行うこともありますし、違法行為に巻き込まれることもあります。背後に反社会的勢力が関与している場合もあります。もしも上記のような「ヤミ金」に手を出してしまった場合には、すぐに専門家に相談をしたほうが良いでしょう。

 なお、「ヤミ金」は、義務のない家族や勤務先などに対しても執拗に連絡をして返済を求めてくることがあります。これらの「ヤミ金」からの督促に応じるべきではありません。「ヤミ金」の被害を受けられた場合には、専門家にご相談ください。

Q. 「ソフト闇金」とは何ですか?借り入れをしてもよいのでしょうか?

A. 無登録で貸金業を営んでいる「ヤミ金」のうち、強硬な取り立てをせず、対応も親切なものを「ソフト闇金」と呼ぶことがあります。このような「ヤミ金」であれば、お金を借りても問題はないと考える方もいらっしゃるでしょう。

 しかしながら、これらの「ソフト闇金」も利息制限法違反の、高金利で貸し付けを行っていることが通常ですし、返済できない場合には、態度が豹変して、暴力的な取り立てを行ったり、家族や勤務先に対して取り立てを行うなどの行為に出ることが珍しくありません。見た目に騙されて借り入れをすることがないようにして下さい。
 「ソフト闇金」に手を出す前に、適切な方法で、債務整理をするべきです。

 もし「ソフト闇金」に手を出してしまったという方がいらっしゃれば、すぐに専門家に相談をすべきです。今後の対応方法や債務整理について、アドバイスをさせて頂きます。

Q. 以前にも債務整理(任意整理・個人再生・破産)をしたことがあります。2回目(3回目…)の債務整理は可能なのでしょうか?

A. 2回目以降の債務整理は、以前の債務整理の際よりも条件は厳しくなりますが、できないことはありません。

 まず、破産について説明します。
 破産については、免責許可を得てから7年以内は、新たに免責を受けられないと規定されています(破産法252条1項10号イ)。また、給与所得者等再生を利用した場合、再生計画認可の決定が確定した日から7年以内も、新たに免責を受けることはできません(同号ロ)。小規模個人再生を利用した場合、このような規定はありません。
 このように、一度、破産の手続などを利用して、7年以内に、再度、破産手続きを利用すると、新たに免責許可を得ることはできないとされています。ただし、この場合も、「裁量免責」を受けることができる可能性があります(破産法252条2項)。このような規定になっていますので、2回目(以降)の破産申立てを検討することもあり得ます。もちろん1回目の破産のときと比べて、免責の判断が厳しくなることが通常です。少なくとも、よほどの事情がない限り「同時廃止」(簡単に終了する手続き)にはならず、「管財」(破産管財人が選任され、調査を行う手続き)になります。特に同じような事情により借金を積み重ねてしまったような事案では、2回目の免責を受けることは厳しくなります。そのため、事案によっては、2回目(以降)は破産ではなく任意整理を選ぶことも考えられます。ただし、債権者側は信用情報を調べるなどして破産をした事実を知ることはできますので、任意整理で債権者の合意を得ることが難しい可能性もあります。この辺りは、事案によるとしかいえません。
 また、1回目の破産で免責許可を受けてから7年以上経過した後に2回目の破産申立てをした場合も、1回目の破産と比べ、免責の判断が厳しくなることが一般的です。2回目の破産でも「同時廃止」になる可能性はありますが、1回目の破産以上に「管財」になる可能性が高くなります。これも踏まえ、2回目以降の破産を選択するか、任意整理を選択するか、検討をしていくことになります。
 2回目以降の破産を利用するかどうかの判断は難しいので、一度、弁護士にご相談されることをお勧めします。

 次に、個人再生について説明します。
 個人再生をして再生計画が認可され、この再生計画にしたがって返済をしていたが返済が苦しくなった場合、破産手続きへの切り替えや再生計画の変更を検討することがありえます。ただし、再生計画の変更を裁判所に認めてもらうためには「再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となった」ことを説明し、許可をしてもらう必要があります(民事再生法234条1項、244条)。また、例外的な制度でありますが、再生債務者に帰責性のない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となった場合で、かつ、既に返済金額の4分の3以上の返済を行っている場合には、残りの支払い義務の免除を受けられる可能性もあります(民事再生法235条1項、同244条。「ハードシップ免責」といいます。)。
 次に、以前に個人再生を利用して返済をしたが、2回目の個人再生手続きを考える場合についてご説明します。以前に給与所得者等再生を利用した場合、再生計画認可決定が確定してから7年間は新たに給与所得者等再生の申立てをすることができません。この場合、小規模個人再生の申立てをすることは可能です。以前に小規模個人再生を利用していた場合、2回目の申立てについて期間の制限はありません。ただし、一般的には、2回目の個人再生になると、裁判所の審査は厳しくなります。再生計画の認可にあたり、厳しく調査されることが予想されます。また、小規模個人再生を利用する場合、再生計画について債権者の意見聴取の手続があるところ、ここで債権者から再生計画案に反対される可能性があります。このとき、過半数の債権者が再生計画案に反対すると再生計画案は認可されなくなります。
 個人再生から破産への切り替えや任意整理への切り替えも考えられます。
 まず、個人再生から破産への切り替えについては、給与所得者等再生を利用した場合、再生計画認可の決定が確定した日から7年以内は、新たに免責を受けることはできません(同号ロ)。この場合も「裁量免責」によって免責を受けることができる場合はあります。詳しくは、上記の2回目以降の破産の説明をご覧ください。小規模個人再生を利用した場合、このような規定はありません。
 個人再生から任意整理への切り替えについて、制限はありません。ただし、任意整理を成立させるためには債権者(相手方)の合意が必要なので、事情によっては合意を得ることが難しくなるかもしれません。

 最後に、任意整理について説明します。
 一度、任意整理をしたが、返済を続けていくうちに苦しくなり、途中で挫折するケースは、(残念ながら)相当数あります。これらの事案では、再度の任意整理を検討することもあれば、破産や個人再生への方針変更を検討する事案もあります。任意整理から破産や個人再生への方針変更について、制限はありません。実際に、多く行われています。再度の任意整理を行うことも考えられますが、一度目の任意整理で返済が厳しくなったという事実がありますので、2回目以降は債権者の同意を得るためのハードルは高くなることが一般的です。

 いずれにせよ、2回目(3回目・・・)の債務整理が必要となる場面では、現在の状況を確認したうえで、適切な方法を検討していくことが必要となります。2回目以降の債務整理であっても、できる限り早く専門家に相談することをお勧めします。新たな借り入れを行ってさらに多重債務状態になる、「ヤミ金」などからの借り入れを行う、ご家族・友人・知人から借り入れを行う、などをする前に、専門家にご相談いただきたいと思います。

Q. 収入・資産が(ほとんど)ない/生活保護を受給しているのですが、破産以外の手続き(任意整理など)を利用することはできますか?

A. 事案によりますが、一般論としては、厳しいとは思います。
 ただし、消滅時効の援用で終了するケースや過払金が存在するようなケースでは、任意整理で対応できる場合もあります。

 個人再生や任意整理は、基本的には、一定額の返済を約束する手続きです。そのため、一定額の返済の見込みがなければ、これらの手続きをとることは難しくなります。特に個人再生は、裁判所に再生計画を認可してもらう前提として返済計画を立てる必要がありますので、返済の見込みがない場合には手続きを利用することはできません。収入のない方が個人再生を利用するためには、家族による毎月の定額の援助がある場合などに限られます。また、生活保護費は、生活のための必要最低限の費用になりますので、これを返済原資とする個人再生は、通常は認可されないと思われます。

 任意整理については、個人再生のような審査は(原則として)ありませんが、無理な返済計画を立てたとしても途中で挫折するだけなので、返済のめどが立たない状態で返済を前提とする任意整理を行うことはお勧めできません。任意整理終了後に破産に切り替えるケースもよく見かけますが、任意整理と破産の両方の費用が掛かってしまう上、破産手続きが複雑になってしまいますので、良いことはありません。

 以上のとおり、返済のめどが立たない事案では、ほとんどのケースで、自己破産を選択せざるを得ないこととなります。「自己破産だけは利用したくない」という方もいらっしゃると思いますが、そのような方については、「なぜ、自己破産を利用したくないのか」をよくお聞きした上で、方針選択をしていく他ないと考えています。その上で、相談者と弁護士の方針が一致しない場合には、受任をお断りすることもあり得ます。

 なお、インターネット上などで「破産の手続きは楽で、報酬も多く取れるから、弁護士(・司法書士)は自己破産を勧めるのだ」との書き込みを見かけることがあります。しかしながら、私は、これは間違っていると考えています。破産手続きは、裁判所が指定する書類を裁判所に提出しなければならず、集める書類の量も多くなります。書類提出後も裁判所とのやり取りが必要です。一般的に、破産手続きに比べれば、任意整理の方が、集める書類は少なくて済みます。また、報酬も、当事務所の報酬規程では、破産より個人再生の方が報酬を高く設定しています(これは、個人再生の方がより手間がかかることによります。)事案によっては、破産よりも任意整理のほうが弁護士費用が高くなることもあります。弁護士(・司法書士)側の都合で破産手続きを勧めるわけではなく、破産が相当な事案であるから破産を勧めているということをご理解いただければと思っています。

Q. 「特定調停」という手続きを聞いたことがあります。これはどのような手続きなのでしょうか?

A. 簡単に言うと、裁判所が間に入り、任意整理をするという手続きです。債権者(お金を貸している人)と債務者(お金を借りている人)が、裁判所で、裁判所の調停委員の関与の下で、どのように返済をしていくか、話し合うことになります。

 手続きは、債権者の住所を管轄する簡易裁判所で行います。特定調停を利用する場合、申立書・債権者一覧表・手数料(債権者1人につき500円。収入印紙で支払います。)・切手(相手方になる債権者1社につき500円程度ですが、裁判所によって異なります。)を簡易裁判所の窓口に提出することになります。詳しくは簡易裁判所の窓口にお尋ねください。
 申し立てをした後は、裁判所から期日が指定され、その期日に、裁判所を間に入れて債権者と話し合うことになります。最終的に合意ができれば調停成立です。合意できない場合、その時点で終了することもあれば、裁判所が調停に代わる決定を出すこともあります。この決定が出た場合も、どちらかの当事者から決定に対する異議が出た場合、その決定はなかったことになります。
 なお、調停で決まった約束を守らない場合、強制執行を受け、給料を差し押さえられる、自宅を売却されるなどの不利益を受けることがありますので、ご注意ください。調停で決まった約束を守れそうにない場合は、できるだけ早く専門家に相談をしてください。

Q. 破産手続きの流れを教えてください。

A. 弁護士に依頼をされた場合の流れは以下のとおりです(事案により異なる場合があります。)。なお、事業者の破産・法人の破産の場合は、事案にもよりますが、流れが異なります。

① 申立準備
 弁護士から債権者宛に「受任通知」を送り、債務の内容を確認する。
 同時に、ご依頼者から話を聞く、通帳、登記事項証明書、保険証券・解約返戻金見込額証明書、車検証、査定書、給与明細、住民票、戸籍謄本などの必要書類を集めるなどして、ご依頼者の資産状況や破産に至った経緯を確認し、書面を作成する。
 必要書類を収集し、書面の作成が完了したら、ご依頼者の居住地を管轄する地方裁判所に申し立てを行う。

② 裁判所での審査
 裁判所で申立書の審査が行われる。このとき、ご依頼者に資産がないことが明らかであり、破産に至った経緯に問題となる点が(ほとんど)なく、免責不許可事由も(ほとんど)ないと判断された場合には、「同時廃止」となる。他方、調査すべき事項があれば「管財」となる。
 「同時廃止」となった場合は、官報公告費用(1万1859円程度)を納付し、後は裁判所の手続を待つのみとなる。裁判所・事案によっては、免責審尋期日があり、原則1回、裁判所に出頭する必要が生じる(出席を求められない場合もある。)。
 「管財」となった場合には、官報公告費用(1万5499円程度)に加え管財予納金(一般的に、最低20万円。事案によって増えることあり。)を提出する必要がある。
 なお、破産法上は原則「管財」で「同時廃止」は例外とされている。

③ 管財手続(管財事件になった場合のみ)
 「管財」となった場合は、裁判所が選任した「破産管財人」(通常は弁護士)がご依頼者の財産状況、負債の状況、破産に至った経緯などを調査する。ご依頼者に財産がある場合は、これを破産管財人が回収し、債権者の平等に分配する(「配当」と呼ばれる。)。通常、何度かご依頼者と破産管財人との面談があり、破産管財人に知っていることを説明する義務を負う(この義務に違反すると借金の免除を受けられないことがある。)。また、何度か「債権者集会」があり、原則、出頭する必要がある。

④ 免責手続き・破産事件の終了
 「同時廃止」になった場合や管財人による調査の結果、ご依頼者に財産がないことが判明した場合、配当が終了した場合に破産手続きが終了する(「破産手続廃止」と呼ばれる。)。
 破産手続が廃止された後、残った借金を免除してよいかを審査する「免責」手続きが行われる。ここで「免責許可決定」を受け、この「免責許可決定」が官報(国が出版する新聞)に載り、異議申立てがないか認められなければ、「免責許可決定」が「確定」し、借金の支払義務を免れる(ただし、税金など、免責の対象とならない債務を除く。)。

 以上の手続を経て、免責許可決定が確定することで、破産手続きが終了することとなります。
 なお、法人の破産の場合、「免責手続」は存在せず、法人自体が解散することになります。

Q. 免責許可決定をもらうことができない場合もあるのでしょうか?

A. 破産手続きをすれば常に免責(借金を免除されること。)されるというわけではありません。例えば、競馬・競輪・競艇・パチンコ・パチスロ・カジノなどの賭博(ギャンブル)によって著しく財産を減少させたり過大な債務を負担した場合には、免責許可を受けられないとされています(破産法252条1項4号)。ただし、実際には、ギャンブルにとって多額の借金を背負ってしまったような場合でも、様々な事情を考慮して、裁量免責(破産法252条2項)により借金を免除してもらえるケースがほとんどです。
 ただし、裁判所や破産管財人の調査にまじめに応じない、財産隠しをするなどの行為をすると免責許可を得ることが難しくなります。破産管財人や破産裁判所の指示を受け、誠実に対応することで、裁量免責を得られる可能性は高くなります。

 なお、法律上、免除されない債務があります。税金、罰金、養育費、故意または重大な過失により相手方に与えた損害賠償債務、借金があることを知りながら自己破産申立ての際に債権者名簿に記載しなかった債務などが免除されない債務にあたります(破産法253条1項各号)。

Q. 破産をするとどのような不利益がありますか?

A. まず、破産をすると、原則として自身の財産を手放すこととなります。最低限、生活に必要な資産は手元に残すことができます(99万円までの現金・生活家電など。また、裁判所の運用によって異なりますが、一定の預貯金なども手元に残せることが一般的です。これら手元に残すことのできる財産を「自由財産」と呼びます。)が、不動産(土地・建物)、自動車、生命保険などは、原則として手放さなければなりません。これらの財産は裁判所が選任した破産管財人が売却等をすることもあれば、ローンが残っている場合には、権利者によって競売にかけられたり回収されることもあります。
 また、破産手続中は生命保険の外交員や警備員など、一定の仕事に就くことができなくなります。破産管財人が選任された場合は、引っ越しをする前に裁判所の許可を得る必要が生じ、郵便物が(調査のために)破産管財人に転送されるようになります。

 これに加え、債務整理全般の不利益として、信用情報機関に事故情報が搭載されるため、新たな借り入れが難しくなります(いわゆる「ブラックリスト」入り。)。いつから新たに借り入れができるようになるかは状況によって異なりますが、数年は新たな借り入れやローンを組むことは難しくなります。借金をするのみではなく、車やスマートフォンの本体を分割で購入することも難しくなりますので、注意が必要です。
 他に、これも債務整理全般にいえることですが、債務整理を行うことにより、保証人に請求がいくことになり、迷惑をかけることになります。

 なお、破産手続が開始されると、(税金などの免責されない債務を除き)取り立ては停止します。破産手続が開始している、あるいは免責許可を受けたにもかかわらず取り立てが止まらない場合には、専門家に相談をされることをお勧めします。ただし、免責許可を受けた後、ある債務が免責の対象になるかが争われることはあり得ます。

Q. 自分がお金を貸していた相手が破産をしました。どうなるのでしょうか?

A. お金を貸している相手方が破産をした場合、裁判所から破産手続きが開始されたという通知が来ると思います。以降は破産手続きの中で権利行使をすることになります。特に破産者に資産がある場合、適切に債権の届出をしなければ配当(破産者の財産を権利者に分配する手続き)に参加できなくなる可能性がありますので、ご注意ください。ご不明な点があれば、裁判所や破産管財人からの通知をお持ちになり、専門家にご相談ください。また、債権者集会などで破産手続きについて意見を述べることもできますが、様々なルールがありますので、意見を述べることを考えておられる方は、まず、専門家にご相談されることをお勧めします。

 なお、破産者が免責決定を受けた後も、養育費などについては請求を続けることができる場合があります。詳しくは専門家にお尋ねください。

Q. 勤務先の会社が破産をした場合、未払いの給与や退職金はどうなるのでしょうか?

A. 破産手続きが開始されると裁判所から通知が来ます。未払いの給料や退職金があれば債権の届出をすることになると思いますので、裁判所からの通知をよく読むようにしてください。ご不明な場合は、書面を持参の上、専門家にご相談ください。

 また、一定の場合には、労働者健康福祉機構の未払賃金立替払制度を利用することができます。この制度を利用することができる場合、原則として、未払賃金の額の8割にあたる額を支払ってもらうことができます。未払賃金立替払制度を使うことができる場合、通常は裁判所の選任した破産管財人から連絡があると思いますので、破産管財人からの通知をよく読まれて対応されるようにしてください。

Q. どのような場合に個人再生を利用できますか?

A. 個人再生手続きを利用できるのは、原則、継続的な収入がある方です。会社勤めで給料をもらっている方が典型ですが、継続的な収入があればよいので、自営業者や年金を受給している方でも個人再生手続きを利用することができる場合があります。収入の状況にもよりますが、アルバイト・パート収入のみの方でも利用することができる場合があります。
 他方、継続的な収入のない方は個人再生手続きを利用をすることはできません。生活保護の方は、継続的な収入があることにはあるのですが、一般的には利用は難しいといえます。

 なお、個人再生の手続には、主に会社員など給料をもらっている方が利用する「給与所得者等再生手続」と主にその他の方が利用する「小規模個人再生手続」の2つがあります。それぞれ、いくつか手続きに差があります。

Q. 個人再生は返済をする手続きと聞きました。いくら返済をすればよいのでしょうか?

A. 小規模個人再生手続を利用する場合は以下の①と②のどちらか高い額を返済し、給与所得者等再生手続では、以下の①、②、③を比較して、最も高額となる金額を返済します。

① 債務の総額によって決まる基準
 債務の総額によって、以下のとおり、最低弁済額が決まっています。

 ア 債務総額が100万円より少ない場合は、その額
 イ 債務総額を5で割った額が100万円より少ない場合は、100万円
 ウ 債務総額を5で割った額が100万円から300万円の範囲内であれば、債務総額を5で割った額
 エ 債務総額を5で割った額が300万円から3000万円の範囲内であれば300万円
 オ 債務総額が3000万円を超え、5000万円以下のときは、債務総額の10分の1の額
 カ 債務総額が5000万円を超える場合は個人再生手続きを利用することはできず、通常の民事再生を検討することになる。

② 所有する財産によって決まる基準
 個人再生を利用する方が所有している財産の総額を算定し、その額が最低弁済額となります。
 「個人再生では自己破産をした場合よりも多くの金額を返済に充てるべき」という考え方このような基準が定められています。

③ 可処分所得額の2年分の額
 可処分所得額とは、所得から税金、社会保障料、最低限度の生活費として定められている額のことをいいます。計算の方法は法律で定められていて、裁判所が「可処分所得算出シート」を公開していることもあります。ここで算出された「可処分所得額」の2年分の額が最低弁済額となります。

 以上のとおり、原則として①で算出された額を返済することになりますが、②又は③(③は給与所得者等再生手続の場合のみ。)で算出された額のほうが大きくなる場合は、その額を返済することになります。

 以上により最低限返済する額を、通常3年(36回払い)、最長5年(60回払い)で返済をしていくことになります。

 なお、住宅ローンについて、自宅を手元に残すために住宅ローン条項を定める場合は、住宅ローンは上記の債務には含まれなくなり、再生手続きとは別に返済をしていくこととなります。

Q. 個人再生手続きの流れを教えてください。

A. 弁護士に依頼をされた場合のおおまかな流れは以下のとおりです(事案により異なる場合があります。)。

① 申立準備
 弁護士から債権者宛に「受任通知」を送り、債務の内容を確認する。
 同時に、ご依頼者から話を聞く、通帳、登記事項証明書、保険証券・解約返戻金見込額証明書、車検証、査定書、給与明細、住民票、戸籍謄本などの必要書類を集めるなどして、ご依頼者の資産状況や再生に至った経緯を確認し、書面を作成する。
 必要書類を収集し、書面の作成が完了したら、ご依頼者の居住地を管轄する地方裁判所に申し立てを行う。

② 書面審査・手続きの開始
 裁判所が申立書の審査を行う。書面審査をクリアした場合、個人再生の手続を監督する者として、個人再生委員(通常は弁護士)が選任される。なお、個人再生委員を選任せず、裁判所が直接監督する運用をする裁判所もある。

③ 毎月の返済額の積立(履行テスト)
 毎月、月々の返済額分の積み立てを行う。この積立が問題なくできているか、裁判所及び個人再生委員の監督を受ける。ここで月々の積み立てが困難な場合は、再生計画の認可が難しくなる。
 また、債権額について債権者と債務者の間で争いがある場合、債権額の認定を行うこととなる。

④ 再生計画案の認可
 定められた期限までに再生計画案を提出する。裁判所は、この再生計画案を債権者に送付する。
 給与所得者等再生手続の場合は債権者による意見を求めることになり、債権者から出た意見を参考にして裁判所が再生計画を認可するかを決める。
 小規模個人再生の場合、債権者による書面による決議が行われる。過半数の債権者が「再生計画案に賛成しない」と回答した場合、又は、「再生計画案に賛成しない」と回答した債権者の債権額の総額が総債権額の過半数を超えた場合は再生計画案は不認可となる。

⑤ 毎月の返済
 再生計画が認可された場合、3年から5年間、決められた額を返済していく。
 返済が終了すると、個人再生の手続は全て終了となる。

Q. 個人再生手続において定めることのできる住宅ローン特別条項とはどのようなものなのでしょうか?

A. 個人再生手続きでは、住宅ローンの残っている住宅を所有したまま、住宅ローン以外の債務を減額することで経済的再生を図ることができます。「住宅ローン特別条項」「住宅ローン特則」などと呼ばれ、自宅を残しながら、住宅ローン以外の債務の返済額を減らすことができる可能性があります。この制度は個人再生手続きの大きな特徴で、「自宅を残したい」という希望をお持ちの場合、個人再生の利用をまず検討することになることが多いです。

 住宅ローン特別条項を利用する場合、まず、住宅ローンの債権者と協議をする必要があり、住宅ローン債権者との間で、これまで通り住宅ローンを支払い続ける、リスケジュールを行う、支払を一部減額してもらう等の取り決めをしたうえで、個人再生手続きを申し立てることとなります。

 なお、住宅ローン特別条項を定めることのできる住宅は、自己の居住用の建物に限られます。投資用不動産などについてはこの制度を利用をすることはできません。

Q. 任意整理の流れを教えてください。

A. 任意整理は、事案によって流れが大きく異なります。そのため、一般論として示すことは難しいのですが、分割で返済する場合の一般的な流れは、おおむね、以下のようになります。

① 債権調査
 債権者に「受任通知」を送って債権の内容を確認する。通常、債権者からは、これまでの取引の履歴が開示される。これにより、現在の債務の状況を確認する。

② 返済計画案の作成
 債権者から開示された情報を踏まえ、今後の返済計画をご依頼者と協議の上作成する。
 なお、債権者から開示された情報を調査した結果、過払金が発生している場合は、債権者に過払金の返還を求める。また、債権が消滅時効にかかっている場合には、消滅時効の援用の手続を行う。

③ 債権者との交渉
 作成した返済計画案を踏まえ、弁護士(・司法書士)が債権者と交渉をする。債権者の合意を得ることが難しい場合、ご依頼者と協議の上、再生計画案を練り直すか、別の手続(破産・再生手続きなど)を利用するか、検討することになる。

④ 和解契約書の作成・分割返済
 合意が成立した場合は、その合意を記載した和解契約書を作成する。債権者側の書式で作成する場合と弁護士(・司法書士)が準備した書式で合意をする場合がある。
 この合意の中では、月々の支払額などを決めるほか、何回返済できなかった時点で一括返済を求めるかなどについても記載する。
 この和解契約書の作成が終了したら、通常は任意整理の手続は終了となる。
 以降、毎月返済をしていくこととなる。この返済は、自分で返済をしていく場合と、弁護士(・司法書士)に返済手続きの代行を依頼する場合がありうる。どのように返済をするかは、よく確認をしておくべきである。

おおむね、以上のような流れになることが多いかと思います。ただし、先ほども記載したとおり、任意整理については法律の規制があるわけではなく、事案によって手続きの流れが異なってきますので、ご依頼前にどのような流れになるのか、説明をさせて頂きます。
 なお、ご希望の条件での分割での返済が認められるか、借金・債務の減額・免除が認められるかは、事案と相手方の対応によります。弁護士が介入した場合であっても、必ずご希望に沿う内容の合意ができるとは限りませんので、ご了承ください。

Q. 「過払金」とは何ですか?私は請求できますか?

A. 「過払金」は、消費者金融などから借り入れをし、返済をしていた方について、返済が「払い過ぎ」の状態になっている場合に発生します。利息制限法という法律があり、この法律で定められている制限利息を超える利率の利息を払い続けていた場合に発生することがあります。以前は、利息制限法上は原則として無効であるにもかかわらず、その利率を請求しても刑事罰を科されないという金利の範囲(「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。)があり、貸金業者は、この金利を利用して利息制限法の上限を超えた利息を受け取っていたのです。なお、現在は関連する法律が改正されたことにより、(いわゆる「ヤミ金」を除き)貸金業者が過払金が発生するような取引を行うことはなくなりました。通常、過払金の発生している可能性があるのは、平成22年(2010年)6月17日以前に借り入れを開始した方となります過払金が発生している場合、現在も返済を続けられている場合は債務の返済額を減らすことができるか、事案によっては貸金業者から払いすぎた分を返還してもらえるかもしれません。また、既に返済を終えている方は、払いすぎた分を返還してもらうことができます。ただし、既に返済を終えている方については、返済を完了してから10年を経過すると、返還請求をすることができなくなってしまいます。

 過払金が存在するかは、過去の取引の履歴を取得し、確認をする必要があります。ご自身で取引の履歴を取得することもできますが、弁護士にご依頼を頂いた場合は弁護士の側で取引履歴を取得し、過払金の有無を計算させていただきます。平成22年(2010年)6月17日以前から借り入れを行っており、現在も返済を続けておられるか、ここ10年以内に完済されたという方は、ぜひ、一度、ご相談ください。