当事務所の弁護士は、インターネット上における誹謗中傷に対する削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求・刑事告訴などの業務を取り扱った経験があります。
インターネット上の問題は、加害者が匿名であり、特定が困難な場合があること、新しい技術が次々と生まれるため裁判例の蓄積が少ない場合がある、法律・規則の改正が頻繁になるなどの特殊性があります。
当事務所の弁護士は、自身の知識や経験を活かし、また、必要なリサーチを行い、困難な問題にも対応します。
当事務所の弁護士は、インターネット上における誹謗中傷に対する削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求・刑事告訴などの業務を取り扱った経験があります。
インターネット上の問題は、加害者が匿名であり、特定が困難な場合があること、新しい技術が次々と生まれるため裁判例の蓄積が少ない場合がある、法律・規則の改正が頻繁になるなどの特殊性があります。
当事務所の弁護士は、自身の知識や経験を活かし、また、必要なリサーチを行い、困難な問題にも対応します。
よくある質問と回答
A. どのような場所に書き込みが行われたかによって変わってきます。
個人で作成しているウェブサイトやブログなど、書き込みをした方に編集権限がある場合は、書き込みをした方本人に対し、削除請求を行うこととなります。書き込みをした方を特定できる場合は、その方に対し、直接、削除請求を行うことになります。書き込みをした方を特定できない場合は発信者情報開示請求の問題になります。
他方、(匿名)掲示板や口コミサイトなど、投稿者には編集・削除権限が与えられておらず、ウェブサイトの管理者にのみ編集・削除権限が与えられているような場所になされた書き込みについては、通常、ウェブサイトの管理者に対し、削除請求をしていくことになります。まずは、ウェブサイトの管理者に対し、交渉をしていくことが一般的ですが、削除に応じるかは相手方次第です。ウェブサイトによってはフォームなどを通じて削除依頼を出すこともあります。これらの削除依頼については、真摯に対応を行うウェブサイトもあれば、無視をするウェブサイトもあります。交渉に応じてもらえるかは、ウェブサイトの管理者によるところが大きいです。
ウェブサイト管理者が任意に削除に応じない場合、裁判所を通じ、削除の請求を行っていくこととなります。この場合、裁判所の仮処分や民事訴訟といった手続きを利用していくこととなります。ただし、裁判所に削除請求を認めてもらうためには「書き込みによって書き込まれた方の人格権が違法に侵害されたこと」を認めてもらう必要があるため、これを満たすのかも検討しなければなりません。また、仮処分を行う場合には担保金の準備も必要となります(一般に30万円から50万円程度とされています。)。この担保金は相手方のウェブサイトに損害が出ない限りは事件終了後に返還されます。このように、裁判所を利用する場合、裁判所が削除を認めるかという点に加え、費用や時間を要することになりますので、どこまで手続きを行うかは、ご依頼者と協議の上、検討していく必要があります。
また、事案によっては、検索エンジン(Googleなど)に対する削除請求を検討することもあり得ます。この場合、元のウェブサイトの情報は残ったままですが、検索エンジンによる検索で表示されないという効果を期待することになります。こちらについても、相手方が任意に対応しない場合は裁判所を利用すること検討しなければならなくなります。
A. 自分のブログへの書き込みや自分で投稿内容を編集できるウェブサイトへの書き込みであれば自分で編集をすればよいですが、(匿名)掲示板や口コミサイトなどでは削除権限はそのウェブサイトの管理者等にのみ与えられており投稿者には削除権限がないという場合があります。この場合、投稿者が自分自身の投稿内容を削除するためには、そのウェブサイトの管理者に対して削除を依頼する他ありません。ウェブサイトによっては削除要請フォームが設けられていることもありますが、ウェブサイト側の対応はウェブサイトによって様々です。他人の書き込みとは異なり、削除を義務付ける理論構成が困難であることから、ウェブサイトの管理者が削除依頼に応じない場合、書き込みの削除は困難と言わざるを得ません。
A. 匿名(ハンドルネームなどを含む。)の相手方に対して損害賠償請求などを行う場合、まず、相手方を特定する必要があります。相手方を特定しなければ、請求を行うことはできません。
相手方を特定する手続きは、通常、裁判所を通じて手続きを行います。相手方がツイッターなどのログインを要する媒体に書き込みを行ったのか、匿名掲示板などに書き込みを行ったのかによって手続きが異なります。2022年10月1日より「プロバイダ責任制限法」が改正され、一部手続きが変更されています。
なお、裁判所に発信者情報開示請求を認容してもらうためには、「その情報の流通によって自身の権利が侵害されたことが明白である」と認めてもらわなければなりません。「書き込みによって名誉が棄損された。名誉権が侵害された。」といったことを裁判所に認めてもらう必要があります。常に開示請求が認められるわけではありません。
① ツイッターなどログインを要する媒体に書き込みが行われた場合
これらのウェブサイトへの書き込みについては、「その情報の流通によって自身の権利が侵害されたことが明白である」ことを認めてもらうことができれば、ログイン時の情報についての開示を求めることができるようになりました。2022年10月1日の改正によってできるようになった手続きです。
この手続きは、ログイン型サービスについての特別ルールとなります。ログイン型サービス以外については、従来と同じく2つの手続が必要になります。
② 匿名掲示板などに書き込みが行われた場合
匿名掲示板などに書き込みが行われた場合(上記のログイン型サービスの手続を利用できない場合)、相手方を特定するためには、一般に、複数の手続を行う必要があります。まず、誹謗中傷が書き込まれているウェブサイトの管理者・運営者に対し、裁判所(通常仮処分を使います。)を通じ、発信者情報(IPアドレス)の開示請求を行うことが一般的です。さらに、そこで取得したIPアドレスをもとに、相手方が契約をしているプロバイダ(インターネットのサービスを提供している事業者)に対し、裁判所(通常、本案訴訟を提起します。)を通じ、住所氏名などの開示を求めます。これらの手続が認められて、ようやく相手方を特定することができます。このように、相手方を特定するまでに、通常は、最低でも2回、裁判所の手続を経ることとなります。なお、2022年10月1日の法改正により、開示命令の手続に続けて2つ目の手続を行う提供命令などの手続を利用することができるようになりました。事案によってはこちらの手続を利用することも考えられます。詳しくはご相談ください。
なお、発信者情報開示の仮処分を利用する場合は担保金を収める必要があり、一般的に10万円~30万円程度の担保金が要求されます。事件終了までの間にウェブサイト側に損害が生じていなければ、納めた担保金は返還されます。
③ 書き込みを行った方の情報を得た後の手続き
書き込みを行った方(相手方)が判明した後は、その相手方に損害賠償請求などを行っていくことになります。まずは交渉をすることも考えられますが、相手方が任意の賠償に応じない場合、さらに損害賠償請求の裁判などを行うことを検討しなければなりません。
なお、情報が開示されたからといって必ず損害賠償請求などが認められるというわけではありません。裁判によって損害賠償を請求する場合、名誉棄損などが成立することを証拠によって証明しなければなりません。情報が開示されたというだけでは名誉棄損などの成立を証明したことにはなりません。この点には注意が必要です。また、名誉棄損などをどの程度証明できるかは賠償金の金額にも影響しますので、証拠による証明は重要です。
このように、匿名の相手方に対して請求を行う場合、複数回の手続を行う必要があります。事案によっては、3回(以上)裁判所の手続を利用しなければならなくなります。手続きが増えると、費用も時間も多くかかることになります。
また、発信者情報開示請求を行う場合、特に匿名掲示板などでは、情報が消去されるまでに請求を行う必要があり、素早く手続きを進めていく必要があります。情報の消去の時間は各媒体によって異なりますが、数か月程度で消去されるケースが多いと思われます。
A. どこに書き込みが行われたかにもよりますが、例えば匿名掲示板への書き込みの場合、通常は裁判所の手続を2回(以上)使う必要があるため、時間がかかります。短くても半年(6か月)程度はかかると考えておいていただく必要があります。ツイッターなどのログインを要する媒体に書き込みが行われた場合も手続きの回数は減りますが裁判所を利用することには変わりがないので、一定の時間はかかります。
書き込みを行った相手方の情報が開示された後も、相手方が任意に賠償をしない場合には、さらに損害賠償請求の裁判をしなければならなくなり、通常、さらに数か月以上かかることになります。
A. 刑法上の名誉棄損罪にあたるような書き込みや業務妨害罪にあたるような書き込みについては、刑事告訴もあり得ます。ただし、刑法が定める要件を満たしていることが必要であるため、一般の方が考える「名誉棄損」や「業務妨害」と法律上の要件を満たすかは異なることがあります。また、警察・検察などの捜査機関が動くかどうかは警察・検察の裁量による部分もあります。具体的な内容を見ながら検討をさせて頂くことになります。
A. インターネット上の誹謗中傷に関する損害賠償額は、個別の事情によって異なります。ただし、一般的には、裁判所が認容する慰謝料の額の上限は100万円前後であるといわれています。今後、裁判所の運用が変更される可能性はありますが、現時点では、高額な賠償が認められるケースは珍しいといえます。残念ながら、手続きに要する費用の方が高くなるケースも多いのが現状です。
また、発信者情報開示請求手続にかかる弁護士費用を発信者に対して請求できるかという問題もあります。この点は、裁判所の判断が分かれているところです。
A. アクセスプロバイダ(利用者にインターネット接続サービスを提供する事業者)から「発信者情報開示に係る意見照会」という書類が届くことがあります。これは「あなたがインターネット上に書き込みをした情報について、権利を侵害されたと主張する方からあなたの情報の開示請求を受けた。開示請求に応じるかどうかを検討するため、書き込みをしたあなたの意見を照会する。」というものです。ご相談者様の情報についての開示請求が認められるかは、この意見照会への回答も参考にして行われることとなりますので、きちんと対応をする必要があります。ここでの対応を誤ると、その後の損害賠償請求等に影響を与えることがあり得ます。
具体的にどのように対応すべきかは、どのような書き込みをしたかなどの事情によりますので、法律相談時に、どのような投稿をどのような態様で行ったのかなどの具体的事情をお伺いした上で、アドバイスさせて頂きます。もし、この書き込みを裏付ける証拠がある場合は、これも意見照会書と一緒に提出することになりますので、法律相談にご持参ください。
なお、意見照会の回答期限は「照会書受領の日から2週間以内」となりますので、書面が届いたら、できるだけ早く法律相談の予約をするようにしてください。
また、仮に情報が開示されたとしても、損害賠償請求などが認められるか、賠償が認められる場合に賠償金の金額がいくらになるかは、別途、問題になります。情報が開示された場合であっても請求をした側の要求にすべて応じなければならないというわけではありません。開示請求が認められてしまった場合も、あきらめるのではなく、どのような対応が可能なのか、必ず(開示請求を行った側に連絡・回答などをする前に)専門家に相談し、対応を考えることが重要です。ご自身で判断することなく、必ず専門家に相談されることをお勧めします。